アオウミガメの話

ハワイのアオウミガメ

この夏はオアフ島のあちこちで成分分析のために海藻を採取しています。
通常はスノーケリングをして採るのですが、ここのところ毎回お目にかかっているのがアオウミガメです。
海の中で泳ぐウミガメを見ると、その日はすごくラッキーな気がします。
今までにも何回か登場していますが、今回はアオウミガメのお話です。
 
アオウミガメは、ここハワイで最も頻繁に見られるウミガメです。
成長すると甲羅の長さが1mくらい、体重は200kg以上になります。
調査や保護のためにたまにウミガメを運ぶお手伝いをすることがありますが、成体はとても一人では持ち上げられません。
成体は草食で、海草もしくは海藻を主食としています。
ハワイは海草が2種類しか無く、生えているところも限られているので、ほとんどのアオウミガメが食べているのは海藻です。
アオウミガメと呼ばれるのは、草食のせいで体内の脂肪が緑色だからです。
 
ノースショアなどでは、アオウミガメが陸に上がってお昼寝をしている姿がよく見られますが、これはウミガメが変温動物なので日光浴で体温を上げるために行っています。
それを裏付けるのに、水温が低い日にはより多くのウミガメが日光浴をしているのが分かっています。
ちなみに、日光浴中のウミガメを見かけたら、お昼寝の邪魔をしないようにあまり近付かないようにしましょう。
ハワイのウミガメは連邦政府の絶滅危惧種保護法とハワイ州の法律によって保護されています。
 

東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よ りも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発さ れ、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイ のアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。


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